[主張]消費税に頼らない社会保障財源手当の追求を  PDF

7月10日の参院選で、自民・公明の与党が改選121議席を確保し、「改憲勢力」を合わせると3分の2を超えた。野党は共闘したものの、その後の未来を国民に示すことができなかった。
参院選の前、2017年4月からの消費税10%への引き上げは、19年に延期された。このことはアベノミクスの失敗を意味しているのではないか。安倍首相は「この道しかない」「道半ば」と言うが、本当にこの道でよいのか、今立ち止まりしっかり検証する必要がある。
本来なら19年への延期ではなく、消費税増税をやめ、5%まで戻し、消費税ではない方法で社会保障費を確保することを目指す必要がある。内閣府が作成した「アベノミクスの3年間の成果」に、「国と地方の税収は安倍内閣発足前の12年度は78・8兆円であったのが、16年度は99・5兆円に大きく増えた。消費税率引き上げ分を除いても、約13兆円の増収」という報道がある。素朴に考えると、税収が伸びているのなら、なぜ消費税を10%に上げる必要があるのか。税収が上がっているのなら、次の一手は、国民に広くメリットがある消費税5%減税で、景気回復ではと思ってしまう。
消費税増税がなければ本当に社会保障の財源がなくなるのか。公共事業への景気対策を組む財源があるのなら、医療・介護・福祉につぎ込む方が有益ではないか。今回、消費税10%への引き上げは延期されたが、「過去最高水準」の大企業の法人税率の引き下げは、着実に実行する。
消費税が上げられないなら、法人税の引き下げも延期するのが自然ではないか。これでは、消費税での税収をすべて社会保障にあてるというのは建前で、法人税減税分の穴埋めが消費税増税なのかと疑ってしまう。
お金がない、お金がないといっているが、何かといった時には、どこからともなくお金が出てくる。本当に社会保障に対しての財源がないのか。その点もしっかり追求していく必要がある。

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