長く続く医療費抑制策と急激な物価高騰・人件費増等により多くの医療機関の経営が深刻な危機に陥っている。中医協に報告された2024年度の医療法人経営状況や医療経済実態調査結果でも、病院の赤字拡大や医科診療所の大幅な経営悪化が見て取れる。財務省は診療所を標的に「適正化」を主張するが、医科診療所も4割が赤字であるのが実態だ。本会の会員調査では、経営が「苦しい」は8割を超えている。
こうした事態に高市政権は、総合経済政策で医療・介護支援の緊急措置を打ち出すとともに、2026年度診療報酬の改定率については本体3・09%増とした。一定のプラス改定を勝ち取ったが、まだまだ安定した地域医療の維持には不十分である。さらなる診療報酬のアップを求めていきたい。
高市政権はまた、「医療費を年間4兆円削減し、社会保険料を下げる」ことを公約している日本維新の会との連立により、先に自公維で合意した「約11万床の病床削減」「OTC類似薬の保険外し」「電子カルテ普及率約100%達成」や患者負担の見直しなど社会保障改革の具体的制度設計も進める。
「社会保険料を下げる」ことは必要だが、それを保険給付範囲の縮小や医療提供体制の抑制で賄ったり、世代対立を煽って高齢者の負担増につなげるべきではない。国の責任による社会保障制度という原則に立ち返ったかたちでの制度設計をこそ求めたい。
今日の世界は主権平等、独立性、不干渉の原則に反し、「武力による現状変更」で平和が脅かされ、個人の主権・尊厳の侵害される状況にある。平和な日本で、誰一人取りこぼさない社会保障制度の確立を求め、以下を決議する。
記
一、2026年度診療報酬改定においては病院、診療所ともに基本診療料を中心に、物価上昇分、人件費増加分を反映させた医業経営を安定させるに十分な引き上げを行うこと
一、OTC類似薬の保険外し、高額療養費制度の改悪や「長期収載品の選定療養」患者負担引き上げ、高齢者の窓口負担引き上げ、介護保険利用料引き上げなどの負担増計画を中止すること
一、11万床の病床削減をはじめ「開業規制」の推進など地域のニーズを踏まえない提供体制の抑制を中止すること。そして地域に必要な医療提供体制を確保できるよう、診療報酬や支援制度を充実すること
一、電子カルテ普及率の「約100%達成」の法定化など実情を無視した医療DXの強制を行わないこと。医療機関に医療DXの導入を求めるのであればその費用負担はもちろん技術的援助について、すべて国が責任を持って負担すること
2026年1月29日
京都府保険医協会
第210回定時代議員会
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