医院経営講習会 数字で自院を見る 傾向が分かる財務情報に  PDF

協会は10月15日、「記帳と試算表と経営戦略!」と題して講習会を開催した。講師は公認会計士・税理士の山口美賀氏。参加者は2人。

 山口氏は、はじめに税務申告のためだけの記帳から経営に活かす記帳にするために、リアルタイムに情報をまとめること、PDCAサイクル(Plan[計画]Do[実行]Check[評価]Action[対策])の基礎資料とすることを説明。「財務情報となる会計に関する情報だけでなく、非財務情報の患者数やその日の天気などを記載することで自院の患者数の変動や傾向が見てとれる」と述べた。
 その上で、損益計算書(PL:Profit & Loss statement)と貸借対照表(BS:バランスシート)の見方を解説。PLは収益と費用(経費)の対比で、会計年度中の経営成績がどうだったかを見るもの。BSは資産、負債、純資産の対比で、会計年度末日の財務状況を明らかにするものと説明し、どちらか一方だけでなく、両方を見ることが大切とした。また山口氏は「数字を通じて自院を見ていることを忘れないでほしい」と強調。「財務諸表を理解し、医院のお金の動きを知ることで、収入目標の設定や現状の収入把握が可能となる」と述べた。加えて、固定費が割り出されることで損益分岐点となる収入を導き出せるとした。
 キャッシュフロー計算書にも触れ、資金繰り表を作成することを提案。「月次で入金予定額や出勤予定額などをまとめることで自院の実際のお金の流れを把握しやすくなる」と述べた。また、資金繰り表の作成が難しい医院では、窓口収入などの現金を毎月決まったタイミングで口座に入金し、月ごとの通帳の入出金、残高を追うだけでもお金の流れを把握することができるとアドバイスした。

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