実施時期=9月25日~10月10日
対 象=代議員80人、回答31人(回答率39%)
明確なルール化「必要」97%
営利企業関与は「慎重に」87%
今臨時国会で審議入りする見込みの「医療法等の一部を改正する法律案」は新たな地域医療構想や医師偏在対策などとともに、オンライン診療を医療法上に位置付けて、それを患者が受ける「場所」として「オンライン診療受診施設」を新設することが盛り込まれている。
「オンライン診療受診施設」とは「オンライン診療実施病院等」と電子通信回線で結んで医療を受ける場所を提供する施設であり、厚生労働省は公民館や郵便局などを想定している。その他、職場や駅などに設置するブース、調剤薬局なども考えられる。設置主体は限定されておらず、営利企業が設置することも可能と考えられる。
「考えられる」というのは、法案には明確に書き込まれておらず、保団連が行った厚労省レクチャーでも、患者からの費用徴収の有無や非営利原則との整合性など明確な回答が得られていないためである。
協会は、現在「指針」運用となっているオンライン診療を法律に定め、乱用を規制することは必要と考えるが、オンライン診療はあくまでアクセス制限時における対面診療の補完にとどめるべきである。最低限「日本医学会連合オンライン診療の初診に関する提言」(2021年)に準拠し「オンライン診療に適さない症状」や麻薬や抗精神薬など「適さない処方」について明確にルール化する必要がある。
さらに「オンライン診療受診施設」が民間企業も含めた設置主体が想定されているとすれば、「医療の営利化・市場化」につながる危険性がある。オンライン診療の「普遍化」は「医療の在り方」を大きく変える可能性があり、慎重な対応が求められる。そこで、オンライン診療の実態と認識について代議員の意見を聞いた。
オンライン診療の経験については「ない」が90%、「ある」が10%であった。
「オンライン診療受診施設」が新設されることについては、「知らない」が65%、「知っている」が35%。
「オンライン診療受診施設」の具体的要件が法案に明記されていないことについて、「問題だ」が74%、「どちらともいえない」が26%。「問題ない」は0であった。
オンライン診療に適さない症状や処方についての明確なルール化は、「必要」が97%、「どちらともいえない」が3%、「必要ない」は0であった。
オンライン診療受診施設の設置主体に民間営利企業を認めることについて、「慎重であるべき」87%、「どちらともいえない」10%、「問題ない」は0。「その他」の意見は「民間営利団体の関与は容認できない」であった。
図1 オンライン診療の経験
ある 10%
ない 90%
図2 「受診施設」の新設
知っている 35%
知らない 65%
図3 具体的要件が法案に明記されていないこと
問題だ 74%
問題ない 0%
どちらともいえない 26%
図4 明確なルール化の必要性
必要 97%
どちらともいえない 3%
必要ない 0%
図5 民間営利企業を認めること
慎重であるべき 87%
問題ない 0%
どちらともいえない 10%
その他 3%







