診療報酬改定、OTC類似薬問題で国会議員と懇談 第4弾 OTC類似薬保険外し受診抑制が生じる可能性 維新 新実議員  PDF

 協会は10月14日、京都選出の日本維新の会の新実彰平参議院議員(参院厚生労働委員)との懇談をウェブで実施した。内田亮彦理事長、福山正紀副理事長、木村吉成理事が出席し、26年度診療報酬本体大幅引き上げやOTC類似薬の保険外し反対などへの協力を要請した。維新との懇談は9月8日にも前原誠司衆議院議員と実施済み(本紙第3203号既報)。

 冒頭、新実議員は「今の我が党の方向性が、一定程度自分自身の考え方の大前提だ。業界の現状は認識した上で、全体としての医療保険制度を維持していくことを目指し、この政策を支持している。個別最適は必要ではあるが、何もしなければ維持が難しい。お知恵をいただきたい」と述べた。
 協会は「2024年の診療報酬改定は実質マイナス改定であり、医療機関は厳しい経営を強いられている。4割もの診療所の赤字という事態はかつてなかった。基本診療料を上げないと診療所はなくなってしまう。日本の医療基盤が崩される」と訴えた。これに対し新実議員は「診療所の厳しさは承知しているが、国民が医療にアクセスできる状況を維持することを前提に全体最適を図り、医師というリソースをどう配分していくのか検討せざるを得ない。先生方はどのような場所でも専門的技術を発揮していただけると考える。個別の診療所の経営は非常に重要であるが、私たちは個別最適とともに全体最適を見るべき立場だと考えている」と述べた。これに対し、協会は「〝直美〟問題に見られるように町医者として働く意欲を失くし、お金儲けに走る医師も出てきている。必要な医療を私たちに実践させてほしい」と要望した。
 協会はOTC類似薬の保険適用除外が実施された場合、甚大な被害が生じると指摘。これに対し新実議員は「優先順位をどこにつけるのかが問題。どのように費用捻出するのか。高齢者の3割負担を優先すべきという考えなのか。例えば健康被害の問題として捉えた時、OTC類似薬の保険適用除外か高齢者の負担増か、どちらの被害が大きいと考えられているか」と問いかけた。これに対し協会は「どちらも大きい。ここを減らしてここに付け替えるという話は医療側からはできない。生命にプラスマイナスはない」と回答した。
 また協会から「OTC類似薬を保険から外しても、患者の要望から医師はハイスペックな薬剤を保険で使用することにしかならず、中短期的に見ればかえって医療費が増える可能性が高いと考えている。本当に医療費が下がると考えているのか」と問いかけたところ、新実議員は「結果的に一定の受診抑制がかかる可能性もある」との見解を述べた。

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