シリーズ環境問題を考える 171  PDF

為政者について思う

 千差万別で価値観の異なる多数(数十〜数億)の個人の意向を集約し、社会の混乱・衝突・破綻なきことを目指し、調整を行い続けておられる政治家の皆さまには感服いたします。
 さて“真実は中庸にあり”との格言があります。
 民主主義国家では選挙制度などにより、ある程度の大衆迎合にならざるを得ませんが、過度に右傾化・左傾化するのも問題だと思います。世界を見渡すと民主主義国家と専制主義国家の数は拮抗しており、独裁国家はもとより新興国・発展途上国などでも民主主義が絶対正義と言い切れない側面もあるのでしよう。
 ただ民主主義国家でも、近年国粋主義的な政治家・政党が力を増しつつあるのが少々気がかりです。
 当然ながらカリスマ的指導力・政治力を持つ大人物が中庸などである訳がありません。よって有能な為政者と一般大衆には相容れない一面がありそうです。
 現在の世界に多大な影響を与えている指導者には多くのタイプ(ビジネスマン?独裁者?政治屋?宗教家?…)が見られるようですが、少なくとも自己肯定感が強すぎ、世界の経済・金融などの仕組みを熟知せずに、自己のルールを世界に強要するのは天に唾する行為であり、報いは自国に向かうでしょう。ましてや意に沿わぬ者を軍事力で強制的に排除することなど許される訳がありません。将来にわたり憎しみの連鎖を呼ぶばかりでしょう。自国の環境に無配慮なばかりか、全地球的な越境汚染すら厭わずに無謀な開発をする為政者も同罪です。
 私は現在の各国首脳には問題のある方が多いと思っています。彼らの将来はニコラエ・チャウシェスクやポル・ポトらのような悲惨な末路かもしれません。
 現在日本の与党も後継者選択で喧しく、本紙発行時には結果が出ていますが、右傾化しそうだったり・過度に大衆迎合しそうな議員が有力候補者であることがやるせない気持ちです。
 非常に稀有なことで夢物語でしょうが、大多数である一般庶民の意向を無理なく汲むことができ、経済的・社会的・科学的にも明るく賢明な、超人的な政治家・為政者の出現を望んでやみません。
(環境対策委員長 武田 信英)

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