新しい風取り入れ、会員の声を聴く
開かれた京都府保険医協会に
理事長 内田 亮彦
この度、京都府保険医協会の理事長を拝命した。76年続く伝統ある協会の理事長という大任を仰せつかり、身の引き締まる思いである。長年にわたり地域医療を支えてこられた諸先輩方のご尽力に敬意を表しつつ、その志を引き継ぎ、さらなる発展に努めたい。
医療を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、診療報酬の見直しや地域医療構想の進展、医師の働き方改革など、現場では多くの課題に直面している。こうした中で、協会は規約第3条すなわち「本協会は国民の健康な生活をきずくために国民と連携し、保険医の団結によって次の二項を遂行することを目的とする。1.医療保障制度の確立と制度運用の合理化の追求、2.保険医の知識と技能の向上と生活権の擁護」を目指して活動してきた。私たち保険医の声を広く社会に届け、より良い医療制度の構築を目指すことが協会の重要な使命と考えている。
今後については最初にも述べた通り、協会の今までの議論の到達点を踏襲して会務運営を行う。その柱となるのが、社会保障の課題への対抗運動として協会も参加して結成された「福祉国家と基本法研究会」が作成した社会保障憲章2011の医療保障の原則、すなわち1.公的責任の原則、2.負担困難による受診抑制禁止の原則、3.不断の原則、4.地域の平等原則、5.非営利原則である。この原則をよりどころとして議論を進め、より良い医療制度につながる運動に努めたい。会員の皆さまにおかれては、個別にいろいろな意見がおありとは思うが、協会の目指すべき方針は皆さまの意見の最大公約数と考えている。
今後はさらに会員の皆さまの声に真摯に耳を傾け、開かれた協会運営を進めたい。そのためにも新しい役員の確保にも努めたい。理事会は開催回数を可能な限り減らして役員の負担を軽減し、議論に費やす時間の確保にも努めてきた。さらにネットワーク技術の進歩により遠隔からの参加もしやすくなった。新しい風を取り入れられるよう、地区医師会様、専門医会様からのさらなるご協力を願いたい。
微力ながら、誠心誠意職責を果たす覚悟である。会員の皆さまにおかれては今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りたく、お願い申し上げる。