医会寸評  PDF

連合による第3回集計では春闘の賃上げ率が5・42%と報じられた。2年連続で5%台の高水準とのこと。また、中小の組合の賃上げ率も5%台になったとのことで良い流れにあるかに思われたが、アメリカ大統領の発言でどうなっていくか不透明になってしまった▼4月にも多種多様な物の値段も上がった。米に至っては備蓄米の放出も焼け石に水なのか値上がりが続き、とうとう毎月備蓄米を放出するとのこと。賃上げと物価上昇の好循環になるのだろうか? 道は険しそうである▼一方、医療介護関係の公的医療保険・介護保険に依っている統制経済下にあるところは、2年や3年間隔の報酬改定の時を待たないと価格は変わらない。その間も、いろいろな経費は物価上昇とともに上がっていく。働く方の賃金を上げるのも大変で、人手不足に拍車がかかる。改定で上がればまだ良いが、1年程前の訪問介護のように引き下げられてしまうと、赤字に陥る事業所が増え、廃業を選択せざるを得ないところも出る▼そんな中、日本医師会・6病院団体が合同声明を出した。その中で「高齢化の伸びの範囲内に抑制する」という社会保障予算の目安対応の廃止を求めているが、政府与党など三党合意では社会保障費の削減を挙げている。どうなっていくのであろう。目の前が暗くなる。(門雀庵)

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