防衛費増額も「聖域」扱い
各予算決定はフラットに議論を
協会は宇治久世医師会との懇談会を2月12日にウェブで開催。地区から19人、協会から8人が出席し、宇治久世医師会の石原由理理事の司会で進行した。堀内房成会長から「協会からの議案は非常に重要な事項ばかりであるため積極的に議論していきたい」とあいさつがあった。鈴木理事長のあいさつの後、社会保障制度の行方と医療提供体制改革について話題提供し、意見交換した。
協会は財政健全化に向け社会保障費を抑制しておきながら防衛費は5年間で43兆円を計上した政府の矛盾を指摘。それに対し地区からは「現在の日本を取り巻く情勢の中で、国家予算における適切な防衛予算、社会保障制度における医療費の適切な割合が分からず、協会の主張は理解できるが素直に納得できない」との意見があった。協会は「防衛予算をどう考えるかは非常に重要な論点。仮に日本が戦争に巻き込まれた場合には防衛費がいくらあっても足りない事態になりかねず、そうならないために、まずは平和政策を徹底して追求する立場が必要」とした上で、「毎年の予算の決定に際しては、各予算をフラットな状態で議論する必要があるが、防衛予算は『聖域』扱いで43兆円の内訳も示されていない」と指摘した。
宇治久世地区ではこの年末年始に救急搬送困難事例が多発し問題となっていると発言があり、協会は「年末年始は入院であれば輪番制、外来機能であれば救急センターで受け入れているが、その設置箇所が非常に少なく需要に対応しきれない状況のようだ。外来・入院の新たな特別体制を構築すべきである」と応えた。
最後に、幸道直樹副会長から「理解することが難しい事柄が多々あるが、協会からの情報はしっかり吟味するに値するといつも思っている。これからもよろしくお願いしたい」とあいさつがあり、閉会した。
出席者27人で開催された宇治久世医師会との懇談