コロナ禍で地区医師会は重要な役割担った  PDF

岡氏はコロナ禍の医療逼迫の前から保健所や保健師の削減などで地域の保健行政はすでに破綻していたとし、コロナ禍での医療アクセスの阻害や在宅死、医療従事者の疲弊などを問題視した。このような問題点が国や行政で共有されず不十分の中、協会が発行した体験記は医師の「言葉」を中心にした記録・分析となっており、記者やライターが求めるものに編集されていない、深刻で衝撃的な話が語られている点に最も意義があると紹介した。また、医師や看護師などの医療従事者は住民と同じ生活圏域に位置する“闘う実践者・科学者”で他の職種にはない唯一の存在だとした。
 日常医療の継続とコロナ禍の危機的な状況で、地区医師会が非常に重要な役割を担っていたと痛感したと述べ、感染対策をしながら小児救急医療を継続するために病院や行政と協力した福知山医師会、介護職向けにガウンの着脱講習会を実施した西京医師会などを紹介した。
 医療現場の必死の努力の一方で、医療にアクセスできない、福祉施設に医療が届いていない悲惨な実態があったことを無視してはいけないと強調。これは対応できなかった医療現場の問題ではなく、医療を巡る構造や政策の問題と認識すべきとした。さらに国民の命や医療が保障されるためにも、医療従事者自身が守られる政策をもう一歩進めていかなければならないとした。
 感染症対策に必要なことは集権的な統制・管理ではなく、地域の特性や資源、経験を活かせる財源などが保障されるとともに、自己と他者の人権を守りながら自発的に危機に立ち向かえる仕組みづくりだと締めくくった。

講師の岡氏

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