日常診療こそ診療報酬で補填拡充を
生活習慣病管理料の算定制限は不合理
協会は綴喜医師会との懇談会を1月18日にウェブで開催した。地区からは6人、協会から6人が出席。綴喜医師会の安田美希生会長の司会で進められた。冒頭、安田会長から「今次診療報酬改定はマイナンバー政策に協力すれば点数が上がるなど、本来の医療に関係のないものがあり、怒りを感じている。医療DX関連の対応は複雑かつ困難で、人件費の増加で医療機関の経営は大きな影響を受ける。不満を述べてもきりがないが、本日は活発な議論をしたい」とあいさつがあった。協会から社会保障制度の行方と医療提供体制改革を話題提供し、意見交換した。会費の引き上げについても理解を求めた。
地区からは医療費増加に対して「高額医療を全て保険で賄うのは限界ではないか。一部の高額医療を別枠にして、日常診療こそ医療保険制度で支えなければ医療費が増加する一方だ。国を批判するだけではいけない」「医療費抑制ではなく、医療立国として医療経済で国をけん引していくべきではないか」との意見が出された。
協会からは医療を国家予算の中でどう位置付けるかが問題とし、社会保障費をもう少し増やしていくのは当然であるが、国家予算の枠内で全体を見て議論していくべきだと回答した。防衛費の妥当性、政治とカネの問題にも目を向け、国民のためになるお金の使い方が重要と強調した。高額医療については、「患者が高額医療を前にした時、治療できるのであれば受けたいと思うのは心理として当然だ。高額医療を利用しても医療保険制度に大きな影響が生じない仕組みこそ必要ではないか」と述べた。
生活習慣病管理料については、「高齢者に対してはフレイル対策、認知症の評価、介護連携、併存疾患の課題など一度の診察でさまざまな情報をやり取りする。生活習慣病管理料の報酬だけでは割に合わない。特に悪性腫瘍特異物質治療管理料が併算定できないのは明らかにナンセンスだ。検査する度に持ち出しになる」と切実な意見が上がった。協会は問題意識は全く同じであり、期中改定の要望など引き続き取り組んでいきたいと述べた。
出席者12人で開催された綴喜医師会との懇談