下京西部医師会と懇談12月13日 ウェブ会議  PDF

医師不足、看護師不足に強い危機感
タスクシフトしようにも困難の訴え

 協会は下京西部医師会との懇談会を24年12月13日にウェブで開催。下京西部医師会から8人、協会から6人が出席した。
 下京西部医師会・飯塚亮二理事の司会で懇談が進められ、同医師会・中野昌彦会長から「保険医協会の活動は京都府医師会とは異なる観点からの掘り下げがあり、役に立っている。諸問題を解説いただき、日々の活動に生かしていきたい」と開会あいさつ。協会から「社会保障制度の行方と医療提供体制改革」などを報告し、意見交換を行った。
 国の医師偏在対策について、地区から「地域別診療報酬が言われているが、点数での誘導には限界がある」「諸外国に比べて日本の医師数は少ない」との意見があり、見解を問われた。これに対し協会は賛意を示し、全国、同じ点数で必要な医療が給付される原則を崩すべきではなく、地域によって医療機関が成り立たない問題については診療報酬以外で保障して日本全体の医療を崩さないように訴えていくとした。また、OECDデータから日本の医師数不足は明らかだが、逆に病床数が多いからと地域医療構想を進めて減らそうとしていることなど財務省のご都合主義なデータの使い方の問題を追究していきたいとした。
 地区からは、医師不足は言うまでもないが、病院でさらに深刻なのが看護師不足であり、タスクシフトやタスクシェアをしようにも困難との訴えがあった。さらに玉突き式にメディカルアシスタント(MA)の人材確保も厳しいとの認識を示した。協会からは、トータルでの医療従事者の処遇を改善しなければ問題は解決しないが、養成・教育の問題も含めて情報を集めて協会の取り組みを考えていきたいとした。
 この他、インターネットで医療機関が誹謗中傷される事例への対策などについても意見交換し、口コミ削除についての弁護士からのアドバイス(医療安全講習会24年11月30日)を案内した。動画は協会ホームページに掲載(要会員ログイン)。最後に下京西部医師会の武田純副会長の閉会あいさつで締めくくった。

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