医界寸評  PDF

 年が明けて、これから実施される「かかりつけ医機能が発揮される制度」について考えてみた▼神経・脳血管領域、眼領域、耳鼻咽喉領域、呼吸器領域、産科領域、筋・骨格系および外傷領域、小児領域など17の診療領域について一次診療を行うことができること(一次診療を行う疾患も報告)とされ40のレセプト上位から想定されうる疾患案が書かれている(一番は高血圧)。あまり悩むまでもなく全ての開業医はOKだろうが、問題は2号機能だ。時間外の診療や入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等との連携など必ずしも全ての診療所が行っているとは言えない▼厚労省が一生懸命なのはよく分かる。今後さらに医療需要の高い高齢者の増加と生産年齢人口の減少、地域の人口構造の偏り、特に医師偏在の問題も含めて、2040年を念頭に医療提供体制を作り変えていく。2023年に成立した「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」に則って準備が進んでいるようだが、すでに地域医療構想や地域包括ケアの取り組みがあると言われてもどうか▼自院の医療機能を明らかにして地域でオープンな議論を交わし、地域全体で一人ひとりの患者を支えよう、そのためには知事も加わった議論の場を作って話し合ってとはどうか。(幸)

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