初春のお慶びを申し上げます 本年もよろしくお願いいたします 2025年 新春 京都府保険医協会 役員・事務局一同  PDF

理事長 鈴木 卓
新しい年の出発にあたって
政治や医療にまっとうな道理が通る制度を目指す

 新年明けましておめでとうございます。皆さまには新しい年の出発にあたって、この1年のご健勝をお祈りいたします。
 昨年は国内外で大きな政治的変化が起こりました。国内では衆議院総選挙で政権与党が過半数を割る中で第2次石破内閣が船出しました。不透明なままの「政治とカネ」、議論抜きの国会運営への国民の一定の審判が下されました。今後の活発な国会論戦を期待します。アメリカでは次期大統領にトランプ氏が返り咲きました。前回以上に米国第一主義、ディール外交を目指しつつあり、世界が固唾を呑んで見守っている状況です。イギリス、フランス、ドイツでも政権交代、政権枠組みの改変がありました。ウクライナ戦争は依然継続され、パレスチナ紛争はより深刻化し、周辺中東国へ戦火が拡大しています。その中で多くの市民、特に子どもが犠牲になっています。平和なくして国民医療は成り立たない、その現実を毎日のように見せつけられています。世界をリードする先進国の新体制はこれを止めることができるのか?
 一方で日本被団協がノーベル平和賞を受賞、国連の核兵器禁止条約は締結国※が徐々に増え、世界的に平和を希求する世論は高まりつつあります。
 京都府保険医協会は昨年、コロナ禍で途絶えていた市民シンポジウム等を開催しました。「体験記シンポジウム『コロナ禍の医師たち』」では最前線を担った医師、職員の奮闘と現場力が印象的でした。また、京都弁護士会・京都府歯科保険医協会との共催で「ほんとに大丈夫? マイナ保険証」を開催し、講師の荻原博子氏は「現政府の医療DXはなんちゃってDX。しかも強引なやり方でかえって真の医療DXが10年遅れる」と述べました。その通りだと思います。社会保険研究会で京都大学教授の黒田知宏氏が「医療DX推進には Trust & Service が必須」と語られたのが核心を突いています。政府・制度・運営への信頼をベースに(それには形だけではない個人情報自己決定権の確立が必要)、国民・医療者が誰一人取り残されず、本当に便利だと実感できる事例の積み重ねがないと医療DXは成就しないとの認識です。
 本年は、他にも新しい地域医療構想、かかりつけ医機能報告制度、医師偏在対策、働き方改革等々で医療機関を大きく揺さぶる「改革」が迫られる時です。また医薬品供給不足や昨年の診療報酬改定のさまざまな不合理の押し付けなども積み残しの課題です。
 保険医協会はこれらの諸課題に対し、会員の意見を積極的に取り入れて、Trust & Service をモットーに今期活動に取り組んで参ります。いろいろな意味での変化が予感される時代の中、全世界に、そして我が国の政治や医療にまっとうな道理が通る制度を目指して会員・医療関係者・府民に根差した活動に邁進する所存です。今後とも皆さまのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

※2024年9月24日現在
署名:94カ国・地域、批准:73カ国・地域

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