輪行: サイクリング 公共交通機関を使ってサイクリングを始める所まで自転車を持って移動する事(広辞苑第七版)
やました・げん
1962年徳島城南高校卒業、1969年京都府立医科大学卒業、1975年京都第二赤十字病院勤務、1993年社会保険神戸中央病院勤務、1999年婦人科内科山下クリニック開設
輪行散歩の提案
新連載 題の絵・挿絵も筆者
自転車は駅の周りにあふれています。しかし電車の中で自転車を見かけることは、あまりありません。
「自転車は車内に持ち込めます」
電車に自転車を乗せると、世の中が俄然広がります。遠くの街でも、まるで近所の町のようにさまよえます。
「電車に自転車を持ち込む人がいて邪魔」
と眉をしかめられる時代が来ないとは限りません。嫌がられないうちに自転車を電車に乗せてみませんか。今はまだ大丈夫のようです。
「ガラス窓から見える空が青い。家にいるのは損だ」
と思うような爽やかな日。思い浮かぶのはハイキング、ジョギング、サイクリング。そうだ、自転車。体力的に一番楽。
「自転車を使うと、地面に足をつけないで歩くことができる」
とは、堺市のシマノ自転車博物館で見たフレーズですが、自転車はより速く、より楽に歩くことができる道具です。機械を使うのですから、ハイキングやジョギング時の足より楽です。特に今の軽快自転車は嘘のように軽く、サドルにまたがると、いつまでもどこまでも走りたくなります。ただ、自転車は走れば走るほど家から遠ざかります。遠くまで来過ぎてしまったとなると、先ほどの爽快さが後悔になりかねません。軽いとは言え、自分の足で漕ぎ帰らねばなりませんから。
このサイクリングの持つ、遠出への弱みを解決してくれるのが電車です。鉄道会社が
「いつでも自転車を乗せていいですよ。改札口へどうぞ」
と言ってくれたらどうでしょう。自分の自転車を自由気ままに乗り回した後、アッという間に帰宅することができます。
実は自転車については、JR営業案内に「積載可の手回り品」であると明記されています。ただし注記があります。
「サイクリングに使用する自転車は解体し専用の袋に収納」
JRが国鉄の時代は細い針金のついた荷札(エブ)を買う必要がありましたが、今は無料。自転車荷物は車内で結構幅をとるので、無料はかえって気を使います。
自転車を畳み、袋に入れる
自転車をかついで、いざホームへ