私の旅行記 天浜線 前編 見どころと鉄分満載 魅惑の地方鉄道 村上 匡孝(綴喜)  PDF

 天竜浜名湖鉄道、通称、天浜線は静岡県の第三セクター鉄道で、昔は国鉄二俣線として東海道線の迂回路としてブルートレインが走ったことがあります。東海道本線の掛川駅から遠州を北東に向かい、天竜川上流の天竜二俣駅を経て浜名湖の北を西へ、東海道本線新所原駅(湖西市)に至るローカル鉄道です。のどかな田園風景、茶畑、里山の中を一両の気動車がトコトコ走ります。沿線(特に北浜名湖や天竜川)の風景は日本の旅情そのもの。古い木造駅舎(写真1)や二俣機関区をはじめとする国の登録有形文化財の貴重な鉄道遺産が数多く残っている“鉄”の宝庫です。しかも、個性的なお店を駅舎に誘致したり(写真2)、遺産でない駅舎をお洒落にリノベートしたりして人気を博しています。
 始発ののぞみで名古屋に。ホームのきしめんで朝飯。こだまで掛川、掛川から天浜線に乗り込みます。旧秋葉街道の名残を残す田園風景、遠州の村や町の名残の光景を眺めて揺られていると、天竜二俣駅に到着します(写真3)。ここぞ天浜線の要かなめの駅。蒸機時代の機関車基地で現存する機関区です。車庫や転車台など全てが文化財ですが現役で使用されています。往時のまま残っている機関区の設備もろもろ、扇状車庫、鉄道マンの施設を見学できる、レトロで大きな鉄道劇場です(写真4、5、6)。
(2021年7月乗)

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