政府は6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太方針)を閣議決定。医師偏在対策について24年末までに総合的な対策のパッケージを策定すると明記した。
具体的には、 医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在の是正を図るため、医師確保計画を深化 医師養成過程での地域枠の活用 大学病院からの医師の派遣 総合的な診療能力を有する医師の育成 リカレント教育の実施 経済的インセンティブによる偏在是正 医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大―の人材確保と規制的手法を組み合わせて進める。
骨太方針に先立って財務省は財政制度等審議会建議(5月21日)で、診療所を狙い撃ちにした偏在対策を経済的インセンティブと規制的手法の双方を活用して強力に講じるべきと主張。建議は勤務医から開業医への流れを止める報酬適正化、地域別単価の導入や自由開業・自由標榜の見直しにまで踏み込んでいる。協会はこの案の段階で抗議談話を公表、特に診療所過不足による地域単価の設定を批判した(成案では不足地域の単価補正は消えている)。
「骨太」は「建議」ほど踏み込んでいないが方針化された以上、今後の議論に注視していかねばならない。
骨太方針でもう一つ注視すべき点は、26年度以降の地域医療構想について対象範囲の拡大を24年末までに結論を得るとしたことだ。かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体に範囲を拡大し、医療機関機能の明確化等の法制上の措置を含めた検討を行うとする(政策解説を4面に掲載)。
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