日本人の2人に1人はがんにり患し、3人に1人はがんで死亡する時代となった。がん診療は治療と緩和ケアが2本柱であり、がんと診断された時から緩和ケアを受けるのが良いとされている▼国のがん政策では二次医療圏に一つ、がん診療の拠点病院を設置し診療レベルを均てん化することが謳われている。京都府には全部で六つの二次医療圏があり、拠点病院は京都・乙訓に七つ、山城北に二つ、他の医療圏では一つずつとなっている(24年5月現在)▼緩和ケアは主に、緩和ケアチームと緩和ケア病棟によって提供される。緩和ケア病棟について言えば、京都・乙訓に集中し、京都市より北の拠点病院には一つも設置されておらず、偏在化が顕著となっている。緩和ケア病棟がない医療圏であっても、厚労省が推し進め、すでに全国で10万人以上が受講した“基本的な緩和ケアの研修”を修了した医療スタッフらが緩和ケアを提供していると推察する。しかし緩和ケア病棟がないと実践できないケアがあるのもまた事実であり、拠点病院には緩和ケア病棟が設置されることが望まれる▼今後、緩和ケアはがんに限らず、心不全や認知症、さらには高齢者の対応にも必要になってくるであろう。このことを見通した準備が行政機関、地域社会などいろいろなところで活発化すればと思う。(京凡人2世)
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