日銀が3月に2016年から実施してきた「マイナス金利政策」の終了を宣言した。異次元の金融緩和により円安が進行して物価が押し上げられたが、実質賃金が低下して昨年末の内閣府の調査で老後の生活設計や今後の収入の見通しに不安を感じている人が約半数を占めた。春闘では全体の賃上げ率は平均で5%を超え、日銀は、賃金と物価が揃って上がる好循環が続くとして、段階的に金利を上げるとしている。しかし、日米の金利差は依然として大きく、為替も大きく変動しており、大幅な賃上げを予定する企業がある一方で、約7割の企業は賃上げ5%に届かず、今後の実質経済が上向きになるかどうか先の見通せない状況は続いている。
今年度の診療報酬改定でも、日常的な感染防止対策や職員の賃上げを理由に初診料が3点、再診料が2点引き上げられたが、基本診療料の微々たる引き上げでは、医療材料費や電気ガス代など光熱費の高騰が経営を圧迫しているため、職員に対する5%の賃上げは難しい。不足分は外来・在宅ベースアップ評価料で補填するということだが、厚生労働省の評価料に関する解説や動画を見ても、経営の専門家ではないので正確に理解できているか不安である。協会では今月末に学習会を開催する。ぜひ参加して算定上の留意点をご確認いただきたい。翻って実績報告書の内容が触れられておらず、報告した賃金の内容がさまざまな営利目的利用のためのデータ集積ではないことを願いたい。
協会では、年金や休業補償、融資などの共済制度を取り扱っている。預貯金の緩やかな金利上昇も見込まれるが、景気の見通しが不確定な今だからこそ保険医年金の良さを認識いただき、ご活用をお願いしたい。保険医年金は、制度加入者数5万1千人となり責任準備金も1兆3千億円を超える日本有数の拠出型企業年金保険として発展している。国内生保各社が共同受託し、セーフティネットの対象でもある。老後資金としての積み立てはもちろん、学資などで資金が必要な時は一部を一時金として受け取ることもでき、生活や人生設計に応じた利用も可能である。現在保険医年金の募集期間中であり、6月20日まで加入受付を行う。ぜひご検討いただきたい。
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