韓国政府は2月6日、25年から医学部の定員を現在の3058人から2000人増の5058人に増やすことを決めた。医師会や専攻医たちは猛反対している。人口千人当たりの医師数は日韓ともに2.6人で、OECD平均の3.7人を大きく下回り、下から5番目である▼日本では、医学部の定員は08年から17年までの10年間で7793人から9420人へと増えて、医師数は34.3万人まで増えてきた。将来推計では労働時間が週60時間、年間960時間の時間外労働(過労死ライン)で、29年頃に約36万人で均衡に達すると推計している▼一方外来患者数は25年以降減少し、入院患者数は35年までにピークを迎え、在宅医療患者は40年以降にピークを迎える。先般、医師偏在対策検討会で、日本医師会の釜萢敏氏は医学部の定員を大幅に減らしていかないと後々大きな禍根を残すと発言。東京都の新規開業を抑制したり、病院と診療所の医師配分も検討すべきなど、医学部定員は抑制しながら、地域・診療科偏在対策に力点を置く意見が大勢を占めた▼結局26年度の医学部総定員は実効性ある偏在対策を前提に24年度の水準9403人に決まった。4月から医師の「働き方改革」が始まった。この成果と実効性ある偏在対策・医師需給の見直し後に医学部の定員を決めるべきであろう。(彦)2024診療報酬こうみる 2
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