国会行動 保険証廃止や医薬品保険外し 反対訴え「医療の営利産業化に危惧」 倉林議員  PDF

 全国保険医団体連合会(保団連)は3月14日、全国の保険医協会・医会に呼び掛け国会行動を実施した。27協会・医会の101人が参加。「やっぱり保険証がいい!」と訴えた。国会内集会も開催し、ウェブ参加を含め180人が集まった。京都協会からは事務局が参加。京都選出国会議員の事務所を訪問し、医療DXと医薬品をめぐる要請を行った。倉林明子参議院議員とは直接面談できた。
 倉林議員は医療DXについて、個人情報のコントロール権が確立されていないのは日本の弱点と指摘し、個人情報を企業の儲けにつなげやすいことを問題視した。協会のアンケート「負担強いる医療DXが進んだ場合に医業継続できるか」で、若い世代でも継続の自信がないという結果に驚いているとした。さらにコロナ禍を経ても医療では病床増や人員増の話にならず、社会保障が置き去りにされ、医療の営利産業化がますます加速している現状に危惧を示した。
 協会は医療の充実につながるデジタル化は進めるべきだが、国が国民の医療情報を集約し国家監視することは反対と強調。マイナ保険証を使わない医療DXの実現が可能と説明した。コロナ禍の問題を総括し、新興感染症の対策を考えなければいけないとした。医薬品の供給不足と長期収載品の選定療養化についても現状を訴えた。保険給付のあらゆる分野で差額負担が増えると、事実上の混合診療の緩和につながり、患者の医療のアクセス権に不公平が生じる危険性があると指摘し、医療現場の実態の理解を求めた。

国会・厚労相に
署名提出

 協会は武見敬三厚生労働大臣に「健康保険証の原則廃止」撤回を求める署名523筆とともに、健康保険証を残す要望書を3月7日に送付した。この署名は、2022年11月から取組みを開始し、23年3月に2450筆を保険局長の伊原和人氏に手交。その後も集まり続けて、これまでの追加分も合わせて総数3642筆となった。
 また、「保険証残せ」の請願署名は全国で13万筆を超えて集約されており、保団連が4月25日に国会へ提出行動を予定している。集まった署名は協会に送付願いたい。
 両署名の会員各位の協力に感謝申し上げる。

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