主張 税法改正で経営への影響懸念 安心の備えに保険医年金を  PDF

 2023年10月からインボイス制度が始まった。電子帳簿保存法は経理の電子化による生産性の向上・テレワークやペーパーレス化を推進するとして改正を繰り返している。24年1月1日からは電子データで受け取った請求書類は原則として印刷して保管することができなくなった。このような制度変更があった時、不安感に乗じてさまざまな物やサービスを売り込もうとする業者が出てくる。そういう時はご自身の顧問税理士への相談以外に、協会の税務相談も活用いただきたい。
 インボイス制度は消費税非課税事業者である個人開業医への影響は限定的と考えている。しかし国はインボイス制度への転換により消費税課税の厳格化を図っている。非課税事業者に対して今後も締め付けを強化してくる可能性がある。これまで非課税事業者であった小規模の個人事業主がインボイス発行に対応するために課税事業者に転換している。その結果、非課税事業者が減少し、国に対抗することが難しくなることが危惧される。
 電子帳簿保存法は消費税課税の厳格化により増える業務量を処理するための方策ではないか。最初は電子保存の許可から始まり、次第に電子保存の義務化に向かっている法改正を見ていると、医療界でのレセプトの「紙請求」から「電子請求」への動きを思い出す。税務もコンピュータ審査を目指しているのか。不安を煽るような文章になってしまったが、まだ具体的な情報はない。今後も情報収集に努める所存である。
 4月1日から保険医年金の募集が始まる。今年の予定金利は1・202%である。NISAなどと比較されることも多いが、NISAは投資であり保険医年金は貯蓄である。老後の生活設計のためにご検討いただければ幸いである。

ページの先頭へ