協会は右京医師会との懇談会を12月8日に右京医師会館で開催。地区から4人、協会から6人が出席した。
右京医師会の松木正人会長から「24年度はトリプル改定ということもあり、医療の点数に関し狙われていることの詳細な話を聞きたい。オンライン資格確認では24年から生活保護受給者・往診のオンライン資格確認が始まることもあり、詳細を聞きたい」とあいさつがあった。鈴木理事長のあいさつの後、右京医師会の神谷理事の司会により、医療DX、オンライン資格確認、第8次医療計画、診療報酬改定、働き方改革を中心に意見交換した。
医療DXとオンライン資格確認については「高齢者のために保険証は残しながら、若い人には利用率4・49%のマイナ保険証ではなく、すでに全国民の87%に普及しているスマートフォンに搭載されている顔認証機能・指紋認証機能を使用し、暗証番号と併せたトリプル認証での本人確認にすべき」「全ての医師が電子化に対応でき、また二重回線化などで安全な通信ができるよう、国の責任の下で公費で対応するべき」などの意見が出された。協会は「そもそも光回線が来ていない地域や光回線以外の通信回線を使用している家庭もある中、性急な医療DX推進に取り残される医師や患者が出ないようにさせたい」と回答した。
勤務医の働き方改革が取り沙汰される中で開業医は「かかりつけ医機能」と称してさまざまな業務を押し付けられ、自らの余暇の時間も確保できないと意見が出された。さらに医療DXへの対応などで医師に医療以外の業務が増加していることが問題だが、パート職員では対応が難しく、こうした業務の補助ができるエキスパートの人材育成と雇用のための診療報酬の位置付けが一般診療所向けにも必要と声が上がった。一方で勤務医の出席者からは、診療報酬に人件費が含まれているため、身を削って時間外に仕事をしないと生活が苦しい給与形態になっていると報告があった。診療報酬が上がらないために給与も上がらず、給与を削らないと病院も経営できない診療報酬の体系自体に問題があるとの議論がなされた。
右京医師会の小室副会長から「我々の意見を吸い上げていただく良い機会だ。我々も含めて高齢化していく中、今後も市民や若い世代に目線を向けて進めていきたい」とあいさつがあり、懇談は終了した。
MENU