主張 災害・感染症・戦争と多難な年 会員の声を国へ届け改善の一歩を  PDF

 一昨年のロシアによるウクライナ侵攻はまだ続いており、さらに昨年10月にはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの無差別攻撃が行われている。犠牲者の多くが女性と子どもである。これに対し、協会は無差別攻撃や病院攻撃を強く非難し「ガザでの即時停戦と市民の安全確保を」と緊急談話を発表した。
 政府はオンライン資格確認システムを23年4月に全ての医療機関に原則義務付けた。しかしマイナ保険証の利用率はわずか4・49%である。にもかかわらず、岸田首相は現在の保険証は12月に廃止するとしている。協会は現行の健康保険証を残すため、会員向けに請願署名や自治体から意見書を出してもらう運動に取り組んでいる。
 本年は診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定年である。23年12月20日の予算大臣折衝を踏まえ、診療報酬改定はプラス0・88%と決まった。ただし薬価の改定がマイナス1・00%であり、全体の改定率はおよそマイナス0・12%となる。薬価・材料価格引き下げ分はまたも本体に充当されなかった。財務省の24度予算の編成等に関する建議では診療所はもうかっていると主張し、外来管理加算の廃止・特定疾患療養管理料の廃止を声高に叫び続けている。
 新型コロナウイルス感染症対応のため、多くの医療機関が献身的に発熱外来対応を行ってきた。その努力に対する報いが実質マイナス改定では堪ったものではない。コロナウイルス感染症が減ったわけでもなく、インフルエンザの流行もあり、引き続き発熱患者の対応は必要である。
 本年は元日から能登半島地震があり多くの犠牲者が出ている。道路が寸断されたり土砂災害などで支援が行われにくい状況で被災者は大変な状況にある。協会もできる限りの支援を行っていく。被災された方がおられたら協会にお知らせいただきたい。
 今回の診療報酬改定でも多くの医療機関にとっては厳しい状況に変わりない。お困りごとがあれば何でも協会にご相談いただきたい。

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