医界寸評  PDF

 昨年は長期化するロシアによるウクライナ侵攻に加えて、イスラエルによるガザ侵攻が始まり、一般人への容赦ない攻撃で子ども、女性が多く殺されている残虐な実態が連日報道されている。居間のテレビに映し出される現場の生々しい映像に辟易しつつも目をそらしてはいけない、しっかり見届けねばと自分を鼓舞するがとてもしんどい▼ウクライナへの欧米の「支援疲れ」が言われ、ウクライナ人自身の徹底抗戦支持率の低下(1年前には80数%あったが最近では70数%に)、ロシアの横暴は許せない、ウクライナに頑張ってほしいと願うが、戦えとは人殺しを奨励することで良くない▼イスラエルの戦争などはむちゃくちゃ。「ハマスを殲滅するまで戦う、一般人が犠牲になるのは仕方がない」と平然と言い放つネタニヤフ首相はおかしい。いくら2000年以上にわたる因縁があるとはいえ、1948年のイスラエル建国そのものが問題だったのかもしれない▼しんどかった旧年に比べどうぞ本年は良い年になるようにと誰もが祈った元日の午後に能登半島地震が起こり、2日には航空機の大事故が起こった。苦しい被災生活で求められるのは医療である。各地に保健所があれば、地域に根付いた保健師・看護師・医師と多くの医療関係者がいるはず。生きる安心感をしっかり支える医療を提供したい。(さ)

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