緊急談話発表 ガザでの即時停戦と市民の安全確保を  PDF

 協会は11月22日、パレスチナ自治区ガザでの市民への無差別攻撃や、病院攻撃を強く非難し、即時停戦を求める緊急談話「ガザでの即時停戦と市民の安全確保を」を発表した。日本政府に対しても一刻も早い停戦と市民の安全確保のために積極的役割を果たすよう求めた。

 パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘は1カ月を超え、市民が無差別攻撃にさらされ、病院が攻撃されている。いかなる理由があろうとも、市民への無差別攻撃や病院攻撃は正当化できることではない。私たちはこのような行いを強く非難し、即時停戦を求める。
 ガザ地区地元当局はこれまでに1万1240人が死亡し、このうち4630人が子どもだったと発表(11月13日)。イスラエル側の死亡者約1200人と合わせ、双方の死者は1万2000人を超える。WHOによると、「ガザ地区にある36の病院のうち22が燃料不足や建物崩壊で機能停止」(14日)とされる中、15日には地区最大規模のシファ病院へ攻撃が行われた。機能停止した病院に残された患者は「絶望的」な状況におかれていると報道され、さらに多くの命が危機にさらされている。
 イスラエルの空爆に対し、国連のグテーレス事務総長は「明確な国際人道法違反」と表明し、即時停戦を求めている。10月27日には国連総会で「人道的休戦」決議が採択されたが、これに日本は棄権した。岸田首相は国際人道法違反かどうかについて「法的な判断をする立場にない」と述べて明言を避けている(11月1日、国会)。11月16日には、国連安保理で「ガザ地区の子どもの人道状況を改善するために戦闘の休止を求める決議」が採択されたが、米英露が棄権し、実効性は不透明とされる。
 私たちは、生命と健康を守る医師の団体として、このような事態を黙って見過ごすことはできない。一刻も早い停戦と市民の安全確保を求める。日本政府には、米国の思惑に左右されることなく、この地の平和回復に向けた積極的役割を果たすよう求める。
2023年11月22日
京都府保険医協会
理事長 鈴木 卓

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