主張 医療・介護・障害に関わる問題共有し、連携する重要性  PDF

 保険証廃止、防衛予算増額、社会保障費抑制、マイナンバーカードの取扱い、医療DXの活用などさまざまな問題が山積されたまま師走を迎えた。特に医療、介護、障害に係る社会福祉関連予算は防衛予算増額の影響で今後かなりの減額圧力を受けることが予想される。保険医協会がこれらの問題に取り組んで市民の健康、福祉を守ってゆくにはさまざまな組織や職域の人々との協力が必要である。
 そのような中、11月5日、保団連近畿ブロックの各保険医協会と近畿各府県の社会保障推進協議会が主催する近畿総決起集会が9年ぶりに大阪難波で開催され、参加した。「保険証残せ!社会保障の拡充で、いのち・暮らしを守ろう!オール近畿アクション2023」と銘打った集会では、大阪府保険医協会理事長の開会あいさつがあり、国会議員の短いスピーチ、兵庫県保険医協会理事長の基調報告、保団連会長による保険証廃止反対の訴えが続いた。その後、湖東民主商工会の方によるインボイス制度反対、新日本婦人の会京都府本部の方による子ども医療費助成拡充、きょうされん奈良支部の方による障害者の健康を守る話、和歌山県社会保障推進協議会代表幹事による年金引き上げ、宝塚医療生協ヘルパーステーションの方による介護職の処遇改善、生活保護基準引き下げ違憲訴訟原告の方による最高裁で勝訴を目指す話、和歌山中央医療生活協同組合の方によるアピールなど多職種の方々から5 10分間の報告があった。
 いずれも現場で実際に関わっている人ならではの切実な内容で、車いすで報告された方もあり、皆問題に対して怯むことなく勇敢に取り組んでおられた。
 その後参加者全員、会場前の御堂筋でプラカードを掲げて道行く人々に保険証廃止反対などの要望を訴えた。この集会により明確になったのは、多岐にわたる職種の方々が我々保険医協会と意見を一にしていること、そして多職種の人々と問題を共有し、連携してゆくことの重要性である。参加者は各人のやり方で果敢に問題に立ち向かっていた。この事実は我々保険医協会の活動に少なからず勇気を与えてくれるものでもある。

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