文化企画 秋のひととき、手びねりで作陶  PDF

 協会は陶芸教室を10月15日にエクシブ京都八瀬離宮にて開催した。粘土の塊を指で伸ばして作る「手びねり」の手法を用いて、オリジナルの小鉢や湯呑み、香炉などに挑戦。参加者それぞれに作陶を楽しみ、秋のひとときを過ごした。参加者は7人。以下、参加記を掲載する。

我を忘れて陶芸に没頭
迎春はお手製の器で
水野 恵(東山)

 会場まで自動車で連れて行ってもらおうと、自宅を出た時、ふっと甘い香り。金木犀の花がやっと咲いたんだ、今年は本当に暑かったから開花が遅れたのだろうと話しながら、車に乗り込みました。
 当日はとても天気が良く、お日様の光が目に眩しいほどでしたが、白川通りを右折して、高野川に沿って、367号線(若狭路)を少し走って、八瀬まで行くと、むしろひんやりと、秋の冷気を感じました。
 少し早めに着いたのでホテルの内外を散策しました。ゴージャスな雰囲気がして、テンションが上がりました。ロビーもラウンジもお客さんでいっぱいで、玄関脇には大きなトランクが台車の上に山のように積まれていました。いつもは夫婦2人で静かに暮らしている私には、ギョッとするほどの人の多さでした。
 さて陶芸教室ですが、4年ぶりの開催とのことで、こぢんまりと7人が参加しました。私のテーブルは2人で、そこに陶芸スタッフが1人付いてくれるという贅沢さ。
 最初に濡れタオルに包まれた粘土の塊をずしんと渡されました。大体、大皿や大き目のコップなら一つ、小さなお皿や小鉢でしたら二つ作れる量です。私は、連れ合い用の大きな湯飲みを作ることにしました。お隣の先生は、奥さまに頼まれて、お正月に使われる白の小鉢を2つ作るとのことでした。
 まず、土台になる直径約3cmの平たい円形の台座を作ります。その後、残りの粘土の5分の1ほどを取り、棒状に伸ばして、台座の円周に沿ってぐるりと載せます。載せた後、指で丁寧に上下が滑らかに接続するように成形します。その作業を5回繰り返し、最後に飲み口になる縁が薄く滑らかになるように整えます。ろくろは使わず完全に手びねりですので、武骨ではありますが、何だか暖かい感じの湯飲みができ上がりました。残った土で箸置きも二つ作製できて、大満足でした。その後、見本帳から色を選びました。12月中に配送され、お正月にはその陶器でお料理が楽しめるとのことでした。大変楽しく充実した時間を経験させてもらい、ありがとうございました。
 7月に上腕骨を骨折してしまい、安静固定、リハビリで、9月にやっと仕事復帰したものの、何となく元気が出ない毎日でした。久しぶりに休日にお出かけして、我を忘れて陶芸に没頭していました。すごくいい気分転換になりました。
 帰りは八瀬比叡山口駅から出町柳まで叡山電鉄に。幸運にも、豪華700系732号車両(HIEI)に乗ることができて、またまた気分よく帰路に就いたのでした。

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