協会は10月16日、福山哲郎参議院議員と懇談を行った。主に保険証廃止問題と医療DXで意見交換した。協会から鈴木理事長、吉中・吉村理事らが出席した。
協会は、外来診療ではマイナ保険証で受診する患者はほとんどおらず、患者も医療機関も戸惑っているのが実態と指摘した。マイナ保険証がなくても患者が持参する健診結果とお薬手帳で確認が可能とした上で、医療情報が1カ月半反映されないために不十分と強調した。さらに、電子カルテは開業医・中小病院で5割、病院で8割の導入状況で、DX化についていけない医療機関への支援の必要性を指摘した。
協会は医療DXのメリットはデータを収集している側にしかないと指摘。高齢過疎地域の診療所では婦人科・手術以外は全て対応し、患者一人ひとりを把握できているとし、大病院で多数の症例を扱う場合には活用できても、これらの地域ではほとんど役に立たないと述べた。
福山議員は、「実態は皆さんがご指摘された通りで、具体的な問題を示してもらうのは重要」と応じた。医療DX自体を否定する人はあまりいないが、システムの構築段階で考え方に問題があるとした。制度の移行期は必ずトラブルは起きるもので、メディアがトラブルをモグラたたきのように取り上げているだけではあまり意味がないとし、患者の情報反映が遅いなど不十分なシステムであるなら、仕組みの再構築を検討すべきだと述べた。さらに、ネット環境が整っていない地域の医療機関がどうDXに対応できるのかという問題を解決していくことが重要とした。
協会から、国会でしっかり議論してもらうために、党派を超えて問題に向き合ってほしいと要望。福山議員は、各省庁の縦割りが議論が進まない要因の一つとした上で、党派を超えて議論していきたいと応じた。また、京都府のPFAS問題にも府議団として取組みを進めたいとした。
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