主張 リハビリ専門職が活躍できる社会に  PDF

 2024年度の診療報酬改定(介護報酬、障害福祉サービス等報酬も含めてのトリプル改定年度にあたる)の議論が開始されている中、協会は恒例の三士会(PT、OT、ST)との懇談会を7月22日に開催した。当該議論の内容はあらためて本紙などで広報するが、その中で、ある士会の代表者から養成機関としての学生の募集状況が芳しくない旨の発言があった。当然ながら国家資格であり、有資格者の前途は有望であるべきだが、必ずしもそうでない現状の現れではとの分析である。
 それに関連して他の出席者からは、スポーツマンのみならず高齢者の健康づくりへの貢献も視野に入れた活躍が大いに期待されているAT(アスレティックトレーナー)の現状が近似しているのではとの発言があった。ATは国家資格ではなく、職場なども医療職の三士と同様でないことは百も承知での議論であるが、高齢化が一層進む我が国において、健康と疾病予防を担う人材という観点から同じ視野の中で考えて良い人材であろうし、期待もしたいところである。しかし、資格取得後の社会的活躍の場への不安からであろうか、養成課程への希望者が以前より減少しているとのことであった。
 三士との懇談会に話を戻すと、診療・介護報酬算定の制約・制限のため、本来の活躍の場と機会が充分でないとの切実な訴えは前述の問題と一部共通する内容と考えられた。先日明らかになった「骨太の方針」は、残念ながら診療報酬などの引き上げ要求を強くけん制したものとなった。
 明るい希望を持って健康づくりに貢献しようという大志を抱く若者たちの心を決して踏みにじることのない世の中になるのは少々遠そうである。

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