協会は4月22日、2022年度第2回コミュニケーション委員会をウェブ併用で開催。地区選出の委員19人、協会から10人が出席した。「コロナ類下げで新たに求められる医療機関の対応」をテーマに意見交換を行った。5月8日から新型コロナが5類へ移行し、外来での発熱患者への対応や入院が必要になった場合の入院調整に関する懸念の声が多数出された。
開会に際し鈴木理事長は「協会は新型コロナの5類移行は慎重にと主張してきた。政府のアドバイザリーボードは、第8波を超える第9波が起こるのではないかと警鐘を鳴らしている。5類移行後の医療提供体制をどう考えるか議論していきたい」とあいさつした。
これまで京都府では入院コントロールセンターを中心に入院調整が行われてきた。しかし、5月8日以降は他の疾病同様、入院の要否を医療機関で判断し、医療機関間での調整を基本とする仕組みになっている。これに対し委員からは「全ての入院調整が各医療機関での調整となることに不安がある」「医療機関間での調整になると、医療機関の負担が増えるのではないか」との意見が出された。協会からは「代議員アンケートでも、75%が入院調整に不安があると回答している。医療機関間での調整になると、病院に受け入れてもらえるか不安があるのではないか。高齢者施設での留め置き問題もあり、速やかな受け入れ体制の確保を京都府に要望したい」と回答した。
加算ではなく、基本診療料の底上げを
5類移行に伴って、診療報酬上の臨時的な取扱いが再編、廃止されている。多くの医療機関では、これまで通り新型コロナへの感染対策を実施しながら診療をしているにもかかわらず、診療報酬が減らされ、経営面への影響も危惧されている。委員からは「人件費が増え、物品の値上げも相次いでいるが、診療報酬は上がらない。経営面で不安を持っている医師も多い」「診療報酬全体として、このままの感染対策が維持できる経済的な補償が必要」との意見が出された。
協会からは「初・再診料はずっと据え置かれてきた。付加的な加算点数はあるが、初・再診料の引き上げが必要だ。先日の専門医会長との懇談会では、内科医会はじめ複数医会の会長より基本診療料引き上げの要望があった。協会の運動の中心として、基本診療料の引き上げを要望したい」と述べた。
その他にも、医療現場で混乱を来している医薬品の供給不安定化の原因と、その安定化に向けて協会から情報提供し、今後会内で討議を行いたいと述べた。