協会は3月23日、山科医師会との懇談会をウェブで開催。地区から7人、協会から6人が出席した。
山科医師会の榎堀徹副会長の司会で開会。冒頭、同会の安井仁会長より「ポストコロナにおいて、オンライン資格確認義務化や電子処方箋を端緒とする医療DXとかかりつけ医制度が重要な二大課題になる。我々は国民皆保険制度を守っていかねばならない」とあいさつ。鈴木理事長のあいさつの後、「コロナ禍を踏まえ、これからの医療制度はどうあるべきか」「オンライン資格確認義務化と被保険者証廃止の動き」について意見交換し、協会より各部会からの情報提供を行った。
オンライン資格確認に関して、地区より「昨年から運用を開始しているが、メリットといわれる健診データや電子カルテの共有などよりも、事務的なデメリットが目立っている。マイナカードで受け付けした患者に保険者変更があった場合、データ更新が未了のための返戻事例が目立つ。事務的な混乱がある」と意見が出された。これについて協会は「政府は保険者変更の場合にタイムラグが生じることは認めている。変更に1カ月程かかるのを、なんとか短縮しようとしているが、今後も10日間程は見込まれている。その間に患者が受診した場合には資格確認できないことや、医療機関での事務作業が煩雑になることが今後も続くのは問題だ」と述べた。
また、新型コロナウイルス感染症について、地区より「5類に移行してもコロナウイルスの毒性は変わっていない」「インフルエンザが収まっても、コロナがまた流行するかもしれず、今まで行ってきた発熱外来の体制は変えられない」などの意見が出された。協会より「政府は発熱外来を6万4000医療施設に広げるとしている。しかし、これまで発熱外来をしていなかった医療機関には、ゾーニングの確保などのハードルが高く、政府案の実現は難しい。また、政府は発熱外来をしない医療機関でも応招義務の例外とはならないとしており、患者がどこでも診てもらえると思って発熱外来の対応ができない医療機関へ受診してしまうことも考えられる。混乱を危惧する」と述べた。
懇談会の最後に同会の 須雅史副会長より「協会には情報提供をいただき、我々のために活動していただいて心強く思う。今後も会員をサポートしていただきたい」とあいさつがあり、閉会した。
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