日本の新型コロナは第8波だけで過去最高の2・7万人超の死者となり、合計で7・4万人を超えた。京都の第6~8波での死亡者は1340人でそのうち自宅で57人、高齢者施設などで221人と計278人(20・7%)が入院できずに亡くなった。病院や高齢者施設などでクラスターが多発し、入院医療が逼迫したのが大きな原因で、入院できず施設に留め置かれ、医療につながらず亡くなるという留め置き問題が最大の課題である▼国は専門医などを派遣して施設でコロナを診るという指針を出したが、施設でのケアは不可能というところが多い。やはり何とか入院できる体制作りが必要である▼5月8日から新型コロナが5類感染症になり、診療報酬特例や補助金は減額、入院は全ての病院で受け入れ、特に高齢者を中心に「地域包括ケア病棟」などでの受け入れを促すとのこと。ハードルは高く簡単にはいかないだろうが、実現すれば高齢者施設などからは期待される▼東京都医師会は、こういう時こそ将来のパンデミックや大災害に備えるとして、平時から1千床規模の臨時医療施設を用意する構想を発表した。平時はシミュレーショントレーニングセンターとして都内の病院職員向けに訓練を実施。有事には登録者に医療活動に従事してもらう。そんなことできるのかなど言わず期待したい。(彦)
MENU