23年度税制改正 生前贈与に注意が必要 白色確定申告説明会開く  PDF

 協会は2月15日に白色確定申告説明会をウェブ併用で開催した。出席は8人。講師は鴨井勝也税理士。
 鴨井氏は確定申告第1表、収支内訳書、収支内訳書付表の記載方法を説明するとともに、2023年度税制改正大綱のポイントを解説。これまで生前贈与が相続に加算される期間は被相続人死亡時から遡って3年だったが、7年に延長されると説明。延長される4年間の贈与は総額100万円までは控除されるが、単年100万円ではなく4年間で100万円であることに注意が必要とした。適用開始は、24年1月1日以後の贈与分からとなると述べた。加えて、贈与者が亡くなった時に一括して相続税として納税する相続時精算課税制度に基礎控除110万円が創設されたこと。また、法人税額に対し4~4・5%の新たな付加税が課されること、所得税額に対し当分の間、税率1%の新たな付加税が課されることなども解説した。ただし、所得税は復興特別所得税率が1%同時に引き下げられるため、実際には税率の引き上げにはならないと述べた。これら法人税と所得税の施行時期については、24年以降の適切な時期とすることになっている。
 22年分の所得税から適用される改定点では、業務にかかる雑所得について、基準となる期間の収入の額により、一定の書類などの提出が求められることになった。
 医療費控除では、オンライン診療料、オンライン診療で処方された医薬品購入費用、医師の診断により受けた新型コロナのPCR検査は控除対象となるが、オンライン診療で処方された医薬品の配送料、自己判断で受けたPCR検査は控除対象外と説明。ただし、自己判断でのPCR検査で陽性と判明し治療を行った場合は検査も控除対象となるとした。
 参加者から質問のあった従業員の源泉徴収、寄付金控除と政党等寄付金特別控除の違いも解説した。

保険医の経営と税務
2023年2月2日発行
発行元 全国保険医団体連合会
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