医界寸評
国会で来年度予算が審議されている。借金が膨らむことをものともせず、税収が借金より多くなるように数字の魔術を駆使し、過去最大規模の予算である。国土強靭化と称し、大震災以後、地震津波の被害予想見直しもあり不安に駆られる国民心理を利用して、公共事業を増やすようである
▼高度成長期に造られたインフラが耐用年数を迎えている。今、洛西ニュータウンの各所で水道管取り換え工事のため、道路の車線規制がされている。昨年、水道管の破裂からガス管損傷、ガス管への水の流入となり、大阪ガスの各地のナンバーの車が結集し、公園を臨時の基地に走り回っていた。笹子トンネルの天井板崩落事故も記憶に新しい。人口が減少していく本邦で、減った人口の身の程に合うインフラを考えていかねばならない
▼景気対策はすなわち公共事業という旧来の考えでいいのだろうか。大手が潤っても現場の労働者に十分な手当てがいくだろうか。企業の内部留保が国会審議でも話題になり、また福島での除染の手当てがピンハネされたようなのに
▼一方、生活保護費を削るという。確実にその分国内消費が減少するだろう。低所得の人がいるからと低い方に合わせるのでいいのか?所得の再配分をよく考え、所得の少ない人にお金が回るようにした方が国内消費につながるように思うがいかがだろう。(門雀庵)