地域に愛され、信頼されるクリニックに 医院オリジナルの接遇研修を実施  PDF

 古川整形外科医院(宇治久世)は12月22日に個別接遇研修を開催。協会は講師として(株)JAPAN・SIQ協会の谷洋子氏を派遣。当日は古川泰三院長を含め15人が参加した。

 谷氏は、研修の目標として①無意識を意識に変えること②人の話を聞く時は相手の顔を見ること―を挙げ、それがコミュニケーションの第一歩であると述べた。続いて、接客と接遇の違いとして、接遇の「遇」は優遇・待遇の「遇」であり、マニュアル通りに対応するだけでなく、“相手が望んでいることを提供する=おもてなし”ができるスタッフであることが重要だとした。
 また、「人は払った対価以上のものを返してもらったときに“ファン”になる」と述べ、技術的サービスだけでなく、“人的サービス=患者さんや同僚に好かれること”で、好かれているからこそ良いコミュニケーションができると説いた。そのために気を付けたい接遇応対のポイントとして、表情、身だしなみ、態度、あいさつ、言葉遣いの五つを説明。特に表情は、笑顔だけでなく、真剣な顔や思いやりの顔などがあればこそ笑顔が際立つと述べた。
 その後、参加者は4グループに分かれ、実践練習として今学んだことを意識しながらの「あいさつコンテスト」を実施。参加者は休憩時間も返上し、声の大きさ、お辞儀の角度、目線、表情、グループ全員が揃っているかなどに気を付けながら、発表に向けて熱心に練習していた。練習後、発表するグループと評価するグループに分かれて、真剣でありながら和気あいあいと、お互いの良いところ・悪いところを評価し合った。
 谷氏は「コミュニケーション」とは日本語で「情報の伝達・共有」「意思の疎通」であり、言葉・態度・表情の三つが揃って初めて人に伝わる。自分はできていると思いがちだが、周りから言われて初めて気付くからこそステップアップができる。スタッフ間においても、お互いを尊重し、悪口は言わないこと、指摘されることに慣れることが大切だと説いた。
 参加者からは「笑顔を意識できていなかったことに気付いた」などの感想が出された他、砕けた言葉遣いは本当にいけないのかとの質問が出され、谷氏は「親しい間柄同士なら良いが、新規の患者さんも来られるので望ましくない」と回答した。
 接遇研修終了後、古川泰三院長からスタッフに向けて医院の歴史や理念が語られた。地域で信頼される医院として、安心を届ける医療を心がけてきたことで、患者さんからも「ホッとできる」と言ってもらえたり、口コミによる来院も増えてきていると述べた。また、スタッフ同士が安心して情報交換やミスの共有ができる「心理的安心性のある職場」にしたいことや、スタッフの良い接遇は患者さんの不安を解き、治療効果を促進しているとして、医院で働くことが社会貢献になっていると説いた。

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