協会も参加する「保険で良い歯科医療を」京都連絡会は10月15日、市民講演会をハイブリッドで開催。小原由紀氏(東京都健康長寿医療センター研究所研究員)が「コロナに負けないお口の健康づくり―オーラルフレイルにご用心」を講演した。
小原氏は、コロナ禍でオーラルフレイルが加速した現状を報告。歯科受診の抑制が広がったことで、むし歯や歯周病が本人の自覚なく進行しやすい状況が醸成された。また、高齢者の滑舌調査によると、「パ・タ・カ」の発声回数の低下がみられ、その発声が食べる機能の低下にも密接に繋がっていることを指摘。さらに、外食制限により、社会関係・人間関係の形成やコミュニケーションの機会を喪失するなど、QOLの低下を招くことにつながったとした。
そもそもフレイルとは、加齢に伴う心身の活力(筋力・認知機能・社会とのつながり)が低下した状態のことを指す。その進行には「フレイルサイクル」と呼ばれる悪循環の仕組みがある。食欲低下→低栄養→サルコペニア(筋肉量減少)→身体機能低下→活動量の減少→エネルギー消費量減少→さらなる食欲低下―と負のスパイラルに陥る。フレイル予防のためには、「栄養」「身体活動」「社会参加」の三つの柱が重要だとした。
機能低下が口腔から始まるものを「オーラルフレイル」といい、滑舌低下、食べこぼし、むせなど、一見些細な機能低下に見えても、長期的に要介護や死亡リスクとも関連している。オーラルフレイルと判断された人の継続的な調査では、判断されなかった人に比べてフレイルが2・4倍、サルコペニアが2・1倍、要介護認定が2・4倍、総死亡リスクが2・1倍という結果が示されている。口の健康が全身の健康にもつながることから、口腔機能低下をセルフチェックすることが重要だとした。
口の健康の判断要素について、①むし歯予防②歯周病予防③口腔機能向上―の三つを挙げ、適切なコントロールの必要性を解説。その上で、むし歯や歯周病予防として、主に歯ブラシ・フロスなどの使用方法や、義歯の清掃方法、大唾液腺のマッサージ方法など、口腔ケアの具体的な方法を説明。さらに、口腔機能を向上させるトレーニングについても、舌のストレッチや早口言葉などの機能訓練を中心に紹介した。
年末調整事務に係るマイナンバーの取扱い
2016年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「源泉徴収票」から個人番号欄が追加されている。マイナンバー制度に則って年末調整事務を行う場合は、事前に安全管理措置を講じた上で、マイナンバーの取得・利用・提供・収集・保管・廃棄を適切に行わなければならない。ただし、マイナンバーの記載がない場合でも税務署が書類を受理しないということはない。
安全管理措置等の医療機関実務の留意点について、本紙2940号付録(15年9月5日発行)で詳細をお伝えし、協会ホームページにも掲載しているので、確認いただきたい。ご質問やお問合せは協会事務局まで。