協会は9月17日、京都府内の各地区医師会長との懇談会を開催。地区医師会から19人、協会から8人が出席した。「コロナ禍を踏まえ、これからの医療制度はどうあるべきか(かかりつけ医制度、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)問題等)」「オンライン資格確認義務化と被保険者証廃止の動き」をテーマに意見交換を行った。オンライン資格確認導入医療機関での運用上の問題、国のワクチン政策への意見等が出された。
開会にあたり鈴木理事長は「新型コロナは世間では収束した雰囲気が出ているが、ワクチンを含め多くの問題が残っている。かかりつけ医制度では、来年の通常国会で法制化が企図されており、オンライン資格確認義務化も強制力をもって実施しようとしている。忌憚のないご意見を頂戴したい」とあいさつした。
2023年4月からオンライン資格確認が原則義務化されることに関して、地区からは「新型コロナ疑いの患者で、当院は雑居ビル内のため駐車場でPCR検査等を実施した。マイナンバーカードを持参されたが、(他の患者への感染を防ぐため)院内に入ってもらうことができず顔認証ができなかった。その日は自費診療となり後日精算した」「保険証の切り替え当日に来院され、切り替えに対応できていなかった」等の運用上の問題が報告された。さらに、義務化に伴い療養担当規則が改定されたことに対して地区から「オンライン資格確認に対応しないことで療養担当規則違反となり、保険医療機関の指定を剥奪されるのではないか」と危惧する意見も出された。
協会からは「実際に運用していく中で多くの矛盾点や困難な事例が出てくる。国はその問題等に対応するQ&Aを出しておらず、非常に拙速に進められている。協会は義務化撤回運動を進めている」と回答した。
新型コロナワクチンの正しい情報を
京都府では9月26日からオミクロン株(BA.1)に対応するワクチンが接種開始となるが、諸外国ではすでにオミクロン株(BA.4/5)に対応したワクチンの開発が進んでいる状況。これに対して地区からは「ワクチンに関する正しい情報が全く入ってこない。患者からワクチンの質問を受けても、我々も確かな情報がないため答えられない。国はしっかりと国民に説明するべきだ」との意見が出された。
協会からは「厚生労働省がどこまで厳密な審査を経て承認しているのか。科学的根拠がないまま、前のめりな対応になっているのではないか。ワクチン政策が基本的なコロナ対策の中にしっかり位置付けられてきたのか疑問だ。政府や専門家会議へリスクコミュニケーションに関して積極的な開示を求めたい」と述べた。
その他にも各地区医師会でのコーディネートチームの活動状況が報告された。
(関連2・3面)