医界寸評  PDF

 故安倍晋三氏の国葬が行われた。国葬の執行は安倍氏の死後6日の7月14日に岸田首相が発表。7月22日に閣議決定された。国葬の賛否についてはいろいろな意見があると思うが、本稿では触れない▼閣議決定後、首相は国葬は国の儀式にあたり、それは行政権に含まれるから閣議決定だけで執行できるとして、国民への説明をほとんどしなかった▼日本は言うまでもなく民主主義国家であり、民主主義とは広辞苑によると「人民が権力を所有するとともに、権力をみずから行使する政治形態」とされている。民主主義を行使する方法として、多数決の原則が用いられるが、それとともに少数意見の尊重というのも、小学校で学んだ記憶がある。最終手段として多数決が用いられるのは納得できるが、そこに至るまでには丁寧な説明・説得をして、理解を得る必要があると思う。賛成は得られないまでも、せめて妥協を得る努力なしに閣議決定だけで強行するのは無理があったのではないだろうか▼以前から為政者に対して批判的に使われる「由らしむべし知らしむべからず」という言葉を思い起こした。閣議決定して十分な議論なく実行という政策が多すぎる。医療界でも最近ではオンライン資格確認の義務化など、誰が得するのかわからない政策が目白押しである。十分な議論を求めていきたい。(内)
 また政策部会は、よい医療を提供するための医療政策上の提言を行ったり、エネルギー問題などの環境対策、平和活動の取組などの幅広い活動を行っている。過去に協会が提言して取り上げられたことは沢山ある。
 勤務医に対しても、不安や悩みを取り上げて、身近で頼りになる存在を目指している。例えば、経営部会で創り上げてきた共済制度である。低利な新規開業融資制度や住宅ローン、手ごろな保険料と高額保障のグループ生命保険など。
 医療へのサポート、保険診療へのサポート、よりよい医療提供に向けたサポート、会員・家族へのサポート。協会の大きな目的である。最近、マスコミなどに取り上げられている、医師の働き方改革に関する検討も大きな目標である。

ページの先頭へ