主張 もう一度協会活動を振り返る  PDF

 地球温暖化で国家消滅の危機にさえある海洋国家、また、大洪水で国の3分の1が水没にあっているパキスタン。CO2排出量の増加が原因とされているのにもかかわらず、ウクライナ戦争。ミサイル一発発射で何年分もの温室効果ガス削減の努力が無為になる。戦争犯罪と言ってよいだろう。
 3年前、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた時、世間的にも、個人的にも単なる型の違ったインフルエンザの一種で、時がたてば風化していくだろうと軽くいなしていた。しかし、いまや社会環境は大きく振り回されている。どこに落ち着くのであろうか。
 協会は、1960年代には患者負担を増やす健保法改悪阻止を目指し、盛んな活動を行っていた。若年であった当時、正直なところ、特に関心も持たなかった。ところがそんなある日に、本当に突然に、期日指定で出頭するように云々と杓子定規な個別指導の通知が郵送されて来て、大変萎縮した思い出がある。医師会は味方だという潜在意識があっただけに、過去のカルテを持参して、必ず医師が、事務職員も連れて、期日指定で出頭するように云々と冷たい文字の羅列、孤立無援、どんなに心細かったことか。
 今思えば協会に相談すれば、保険部会担当者が本当に当事者に寄り添うように、徹底サポートを、親身になって相談に乗ってくれて、医院に赴きアドバイスをくれる。悩みから解放されたのにと心から思う。ぜひ皆さんにこの思いを伝えたい。強調したい。保険医協会は味方である。
 何もよくわからなった頃、保険請求はこれでよいのか、返戻(当時はすぐに査定しないで、返戻が多かった)が来るたびに心落ちしたが、保険請求の各種事務取扱い業務も懇切丁寧に教えてもらえる。いざという時に弁護士帯同の相談に乗ってくれるのも心強い。保険部会として、協会の特徴的活動として、2年ごとの診療報酬改定時の要求と対策の取組も行っている。
 スタッフ雇用の留意点から、従業員教育の講習会など本当に役に立つことが多い。今まで、大学病院など、経営に明るくなかった時に、金融・共済・労務管理などがのしかかってきて本当に先行きに暗雲が垂れ込めた思いがある。経営部会が極めて身近にたって支援してくれる。
 突然、裁判所から証拠保全の通知が特別郵送された時には何事やならんと肝を冷やす。医療安全対策部会に相談すると、まずもって精神的安寧をもたらしてくれたうえで、相談支援に乗り出してくれる。こんな心強いことはない。ぜひ周知したいものである。この部会の常日頃からの予防啓発のことも大切である。

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