厚労省懇談 かかりつけ医議論質すも 具体的方向性明らかにならず  PDF

 かかりつけ医について、「来年の通常国会に制度化法案提出」との報道がある中、厚生労働省は7月20日の第8次医療計画等に関する検討会での議論を開始した。この問題で協会は、6月に取りまとめた提言を踏まえて、厚労省とオンラインでの懇談を8月29日に行った。厚労省側からは、医政局総務課の保健医療技術調整官・矢野好輝氏、同局地域医療計画課外来・在宅医療対策室の在宅医療専門官・井上雅寛氏ら4人が出席。協会からは鈴木理事長をはじめ7人が出席し、仲介の労をとった倉林明子参議院議員も同席した。
 懇談では、協会から「『かかりつけ医制度』ではなく医療者が『かかりつけ医機能』を発揮できる医療制度のあり方について」提言の概要を説明し、制度化を行わないよう訴えた。その上で、かかりつけ医について、①制度化を目指しているのか②患者1人に医師1人を想定しているのか③外来機能報告制度とどのように関連していくのか―などの質問への回答も含めコメントしてもらい、意見交換を行った。
厚労省は
「制度整備」を強調
 厚労省からは、骨太方針や改革工程表、首相の発言も含めて「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」で政府の議論が取りまとめられており、必ずしもかかりつけ医の制度化という形で進んでいるわけではないこと。国民目線での議論を行っているところで、質問した項目については現時点で具体的に言えることはないというものであった。
機能発揮できる
連携構築を
 協会からは、現在の自由開業制の下でのフリーアクセスは国民にとってわかりやすく使い勝手のよいものであること。またかかりつけ医機能を発揮できるよう診療所レベルでの多職種連携を構築してほしい旨や医学教育でプライマリ・ケアを強化すべきなどを指摘。また、医療機関の少ない地域での制度化はかみあわないのではないかと指摘した。さらに、今回の議論の発端となった開業医がコロナ対応できていなかったという指摘に対して、当初は開業医が関われない仕組みであったことを厚労省として明確にすべきと主張した。]

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