津田先生とは、京都府保険医協会の政策部会で長年ともに仕事し、また全国保険医団体連合会副会長の職も引き継いだ。私の方が年齢は上だが、公私ともに仲良くさせていただいた。
津田先生に教わったことは多い。我々の本流である医療政策に通じておられたのはもちろん、日々起こる社会のさまざまな出来事に関心を持ち、またそれらを社会的にどう位置付けて捉えるか。そして、そのためには何が必要になるのか。日常的に繰り返し話されていた。そういった、いわば雑談から始まる話でも雑談にとどめず、先生らしい視点で思考しておられ、感服した覚えがある。時には系統だった話として議論になることもあったが、さまざまな場面でさまざまな話として出現し、興味をひかれた。
また、保険医協会と保団連の在りようの中にある、ある種のずれ、そしてそれへの対処など、水面下であれこれ苦労されたことと思う。
津田先生はお酒が大変お好きで、私と好みの店が偶然同じであったということもあり、よく一緒に飲みに行ったものである。酒を酌み交わしながら延々と話をしたことを懐かしく思い出す。しかし、酒席をともにすることはもう叶わぬこととなった。
ご冥福をお祈りしたい。
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津田光夫先生は、綾部協立病院院長、東山診療所を経て、医誠会診療所で地域医療に従事。協会においては95年から14年まで理事。理事就任の95年から13年まで京都社会保障推進協議会議長。98年から全国保険医団体連合会理事、06年からは全国保険医団体連合会副会長を歴任されました。長きにわたり協会および関連団体で、特に医療政策分野に携わっていただきました。
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