新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業を考える方のための講習会」を5月29日に開催し、4人が参加した。
廣井増生税理士事務所所長の廣井増生氏より「開業後一日も早く軌道に乗せるために~事前準備のポイント~」をテーマに講演。その後、医療法人社団タケダ内科医院院長の武田真一氏(西京)より開業時の経験などを話していただいた。
廣井氏は、開業地の選定のポイントとして「自身の診療科でどんな患者が来院するのかをイメージして、患者の来院方法が徒歩・車・電車のいずれかを見極めることがポイント」とした。また、開業地の人通りを実際に見に行くことが大事とアドバイスした上で「人通りは、時間帯によって全く違う。決まった時間帯だけではなく、朝・昼・夜、土曜日の朝などいろいろな時間帯を見ること」と述べた。診療圏調査に関しても「京都は寺院や学校、川が多いので注意が必要。現実的にはデータ通りにはならないが、銀行等との融資交渉時には重要視される」と述べた。その他にも、開業までのスケジュール・開業資金の調達方法・広告・スタッフの募集・採用など実例を交えながら詳しく解説した。
十分な構想と楽しく健康に
先輩開業医からのアドバイスとして武田氏は「開業するにあたって大事なことは、まずは先生自身で十分に構想を練ること。そして自分で情報を集め、分析し、自分で決めること」と述べた。さらにクリニック成功の3つのポイントとして「①立地(集患の最重要ポイント)、②診療を休みなく続けること、③開業時にお金をかけすぎないこと。何よりも自分が楽しく健康に続けることだ」とアドバイスした。また、武田氏自身は承継開業され、そのメリットとして「患者やスタッフを引き継げること。開業時のコストも抑えられ、開業準備期間を短縮できること」と述べた。
最後に、曽我部理事より地区医師会への入会手続きと会員医師の経営と生活をサポートする保険医協会の各種共済制度などを説明した。参加者全員から「参考になった」との感想をいただいた。