新型コロナウイルス感染症第6波で、高齢者や障害のある施設入所者が入院できず、生命を落とす事態が多数発生した問題(留め置き死問題)について、6月18日に開催した「第1回ミーティング」の参加者一同が確認した「声明」を府当局に提出し、意見交換した。意見交換後、府政記者室に資料提供するとともに、京都府議会各会派にも要請した。
参加者は、ミーティング呼びかけ団体から井上ひろみ氏(社会福祉法人七野会理事長)、西村清忠氏(きょうされん京都支部支部長)、松田貴弘氏(京都民主医療機関連合会事務局長)、松本隆浩氏(京都社会保障推進協議会事務局長)と協会事務局。京都府からは医療課の安原課長、健康対策課の三輪参事、健康福祉総務課の古川参事が出席した。
高齢者施設の現場からは、特養に入所する高齢者の多くは認知症の方が多く、物理的・人員的にゾーニングが困難である。第6波であれほど施設留め置きが問題となったにもかかわらず第7波となっても引き続き入院できない実態が続いている。重症化して亡くなる直前にやっと入院させるこれまでの入院コントロールを改め、重症になる前に入院・治療し、安定したらこれまでほとんど稼働させていない「入院待機ステーション」にいったん入ってもらい、その上で施設に帰ってもらうような対応が必要と提起した。障害のある人の施設の現場からは、コロナ禍は障害のある人たちが一市民としての権利を保障されていないことを浮き彫りにした。平時でも障害のある人は入院に付添を求められる等、ハードルがある。コロナ禍では逆に付添が認められず、入院できない実態がある。医療・福祉の連携のなさが際立っていると訴えた。
府当局は「入院待機ステーション」の活用が始まっていることを明らかにし、必要な人は入院してもらえるように体制を構築するとコメント。参加者からは、どうやったら死亡者をなくせるか。そのためにどんな入院コントロールが必要か。そのためにこれまで動かしてこなかった入院待機ステーションをどう活用するかが問われている。府議会において府は「必要な人は入院できている」と答弁しているが、実態とずれている。実情をつかみ、命にかかわる問題をうやむやにしない姿勢が必要と厳しく指摘した。
MENU