協会は3月5日、綴喜医師会との懇談会をウェブ会議で開催。地区から5人、協会から6人が出席した。綴喜医師会・村上匡孝副会長の司会で開会。開会に際し森岡稔勝会長は、「第6波は感染力が強く、自宅療養者数が当地区でも第5波の2倍以上になり、新規感染者も高止まりだ。病床ひっ迫の原因は、基礎疾患のある高齢者で、3回目のワクチン接種が急務。懇談会を通して地域医療のレベルアップにつなげたい」とあいさつされた。その後、協会から2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論、新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療提供体制を話題提供した。
初診からオンライン診療を行うにあたり、医学的情報が十分でない場合に実施が求められる診療前相談に関して、地区から「広告やホームページから相談を募り、相談から診察に移行すれば、オンライン診療の点数を算定できる。自院に患者を取り込む印象を受けるが本当に良いのか」との意見が出された。
協会からは「患者の事前情報がない中で、本人確認も含めて初診からオンラインで診るのは無理がある。診療前相談からオンライン診療を実施する場合には、診療前相談で得た情報をカルテに記載する必要がある。診療前相談だけで終わった場合は、何も点数が算定できず医療機関にとっては負担になる」と述べた。
協会が取り組む各種署名や要請活動に関して、地区から「請願署名などは、実際にどれぐらいの数が集まれば、国は聞き入れてくれるのか」との質問が出され、協会からは「要請書や会員からいただいた署名は、厚労省や中医協の各委員に送っている。以前、特定疾患療養管理料が他院で入院していた場合に退院後1カ月を経過しないと算定できず、それはおかしいと要請を続けた結果、算定が認められるようになった。署名数だけではなく、声を上げることで改善されることもある。今後も会員の声を基に要請していきたい」と述べた。
新型コロナによって医療提供体制の脆弱さが露呈され、地区からは「京都では急病診療所があるが、一時的な対応しかできず、本格的な治療ができない。京都市と南部が一体となって、開業医が運営できるような救急医療体制がないと病院側にかなりの負担をかけてしまうのではないか」との意見が出された。
協会からは「地区医師会と各保健所との関係性が、コロナでは大きく影響している。京都市内では地区医師会と京都市保健所が連携できていない。各行政区に保健所があれば、細かな情報の把握や対応ができたのではないか」と述べた。最後に、各部会から情報提供し、懇談会を終了した。
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