「勤務医に役立ち病院の経営に資する情報提供」と「保険医協会の事業の特長を知っていただく」ことを目的に、協会は3月16日、勤務医のための講習会をウェブ開催。京都府内病院の勤務医7人が参加した。
講習会は上田和茂理事が進行。「勤務医に役立つ保険医協会の共済制度」として曽我部俊介理事より、勤務医にもメリットの多い共済制度のうち、「医師賠償責任保険」のサポート力、「斡旋融資制度」の低い利率と使いやすさを紹介した後、「グループ保険」と「保険医年金」の特長点を詳しく解説した。さらに新型コロナの感染拡大では医療体制の課題が明らかになったが、保険医協会は、医療機関・患者さんともに安心・安全な医療提供体制となるよう、国や京都府などに充実、改善の要請を続けている。勤務医の先生方にも、国民皆保険制度を守り、地域医療を守る活動へのご協力をお願いしたいと述べ、保険医協会への入会と、共済制度の利用を呼びかけた。
「勤務医が知っておくべき実践的な保険診療」として福山正紀副理事長は、保険診療を行う上で大前提となる「保険医療機関および保険医療養担当規則(療担規則=保険医療機関や保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的なルール)」に基づき、減点査定の恐れのある事例を解説。医師法により「病名を付けることができるのは医師だけ」であることを強調した。また、保険医協会に寄せられた病院の減点事例や誤りやすい検査の算定要件を解説。添付文書(効能・効果)の熟読が「減点の防止」につながること、病院から診療所へ紹介する際の情報提供や薬剤の継続処方時の留意点など、実際のレセプトを用いて具体的にアドバイスした。
加えて、22年度診療報酬改定のうち、特に勤務医の方に知っていただきたい内容として、診療情報提供料(Ⅰ)の小児患者に関する取り扱いの変更、リフィル処方箋の導入、湿布薬の投与上限枚数の変更(1処方70枚→63枚)、アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料の新設、在宅自己注射指導管理料(血糖自己測定器加算)の対象緩和、不妊治療の保険適用などを紹介した。
参加者からは「保険診療の査定について聞く機会が普段はないため、ためになった」「保険請求の大枠がわかったので勉強になった」「またの機会に病院が査定を受けない工夫や加算をしっかり取得できる工夫について、さらに教えて欲しい」等の感想が寄せられた。