山科医師会と懇談 2月24日 ウェブ会議 曖昧なかかりつけ医の議論を懸念  PDF

 協会は2月24日、山科医師会との懇談会を開催した。地区から6人、協会から6人が出席し、山科医師会の髙須雅史副会長の司会で進められた。
 冒頭、同会の安井仁会長から「現在、新型コロナの第6波の真っ只中であり、新規感染者数は高止まりで、高齢者を中心に重症者・死亡者は増えている(22年2月現在)。3回目のワクチン接種の開始が遅れ、いまだ約15%の接種率(懇談時点)で、医療行政上のミスが響いていると言わざるを得ない。本日はしっかりと意見交換をしていきたい」とあいさつした。続いて協会から鈴木理事長があいさつし、「2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論」「新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療提供体制」について意見交換した。
 懇談ではかかりつけ医制度が話題の中心となった。協会から「2016年の保団連医療研究フォーラムでの『京都アピール』のように、協会はかかりつけ医を機能として担うべきという考えであり、協会も日本医師会もかかりつけ医の制度化には反対している。かかりつけ医制度では外来機能をかかりつけ医と専門医に分け、かかりつけ医以外を受診すると定額負担がかかる。また外来機能報告制度では、外来機能を担う医療機関を専門医と一般医に分けるための基礎資料を集めようとしており、今後、無床診療所にも対象を広げる可能性があり注視していただきたい」と説明した。地区からは「かかりつけ医制度の場合、包括払いによって検査回数が制限され病気が見逃されるのではないか」と懸念する意見があり、協会は「この制度が必要な検査まで控えてしまう圧力になりかねない」と回答した。また地区からは「かかりつけ医の議論が曖昧で、地域の眼科や耳鼻咽喉科、あるいは内科の中でも消化器内科等の専門科の医師が置き去りにされそうで非常に不安を感じる。その辺りの情報を集めていただきたい」との意見に対し、協会は「厚労省は、眼科と耳鼻咽喉科の開業医は専門医に分類しようとしている。内科でも消化器内科として専門的な処置をする場合は開業医であっても専門医に、それ以外はかかりつけ医にと考えているものとみられる。また泌尿器科や整形外科については全く議論されていない」と回答した。
 その他、かかりつけ医制度と医師の偏在問題の関連についても意見交換し、閉会した。

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