協会は下京西部医師会との懇談会を2月16日にウェブ形式で開催。地区から7人、協会から6人が出席した。下京西部の岡林秀興副会長が司会をつとめ、中野昌彦会長が「府市民の健康福祉のため、会員の福利厚生のための協会の活躍に感謝。府医とは違う切り口、違う視点からの活動は興味深く、かつ頼りにしている」と開会あいさつで述べた。続いて協会の鈴木理事長があいさつ。
地区から「医師の偏在問題、科別の偏在、地理的偏在」について問題提起があり、協会から①2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論②新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療提供体制を報告し、意見交換した。
医師の偏在問題について地区から協会の見解を問われ、地域医療構想、医師の偏在対策、働き方改革の三位一体改革により病床数を減らして集約化し、勤務医の労働時間を減らし、病院外来を縮小させ入院に医師を回すという国の思惑を解説。一方で2040年には医師が過剰になることを前提に養成数を検討しているが、この医師養成数は実際の医療需要に見合っているのかとの問題意識を示した。さらに、医師多数区域で規制しても、地域を再生させるという根本的議論なしには医師少数地域の解決にはならない。医師の自由に全ての責任があるかのように喧伝し、働かせ過ぎの勤務医と決まった時間しか働かない開業医と揶揄して分断している。開業医が悪いとの論調には対抗していきたいとした。地区からは、地域に研修で医師を回すと都市部の不足状況に拍車がかかるうえに専攻医のシーリングが決まっている。国は都道府県の事情を考えず画一的であり、地域枠は県単位でなく広域で考えてコントロールするべきとの考えが示された。
新型コロナ対策について、地区から3回目の予防接種の遅れが医療のひっ迫に拍車をかけており、京都府、京都市が3回目接種を加速化するよう働きかけてほしいと要望があった。これに対し、協会からはすでに要望していると回答した。
診療報酬改定について、地区から看護職員の処遇改善が目玉とされていることに、給与体系は慎重に決めなければならず、そう簡単に変えられない。このように宣伝されることに戸惑いを感じるとの意見があった。
最後に武田純副会長から、「こうした懇談は行政に提言してもらえる意義があるので、大事だと考えている。意思疎通を増やして地域医療を良い方向に進めたい」とのあいさつで締めくくった。
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