コロナ関連の税務処理に留意を 白色確定申告説明会開く  PDF

 協会は白色確定申告説明会を新型コロナウイルス感染拡大防止のためウェブ併用形式で2月9日に開催した。講師は鴨井勝也税理士、参加者は8人。

「事業復活支援金」が新設

 事業復活支援金が新たに創設された。2021年11月~22年3月のいずれかの月の売上高が、18年11月~21年3月の任意の同じ月の売上高と比較して、50%以上または30%以上50%未満減少した事業者が対象。
 持続化給付金、家賃支援給付金、感染拡大防止協力金、雇用調整助成金、医療機関・薬局等の感染拡大防止等に係る支援金は事業所得として課税対象で、新型コロナウイルス感染対応休業支援金、特定定額給付金、新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金は非課税対象。各種補助金の収入計上時期は原則、交付決定日となる。ただし、感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金(無床診療所100万円・25万円)など経費の補填となるもので、申請しているが交付決定が翌年になる場合、経費を支出した年に収入計上する。また、これらの補助金で取得価額10万円以上の固定資産を取得した場合には、国庫補助金等の総収入金額不算入(その国庫補助金等のうち、その固定資産の取得等に充てた部分の金額に相当する金額は収入金額に計上しない)の規定を適用することができる。
 コロナワクチン接種費用は、インフルエンザワクチンと同様に自費収入として、コロナワクチン個別接種支援協力金(週100回以上で1回2000円など)は雑収入として収入計上する。

22年度税制改正のポイント

 住宅ローン控除は、控除率が1%から0・7%に引き下げ、適用期限が25年12月31日まで4年延長、省エネ性能の高い認定住宅等の借入限度額の上乗せ、適用対象者の所得要件が3000万円以下から2000万円に引き下がる。
 財産債務調書制度が見直され、現行の提出義務者の他、総資産10億円以上を有する居住者(所得要件なし)が追加された(23年以降の調書)。
 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等の見直しが行われ、適用期限が23年12月31日まで2年延長、非課税限度額が引き下げ(省エネ等住宅は1000万円、それ以外は500万円)、年齢要件は18歳以上になる。(21年12月10日発表分)

21年分から適用される主な改正点

 申告書様式が変更されている。申告書の押印義務が原則廃止され、押印欄が削除されている。事業所得の収入区分欄には、21年の記帳・帳簿の保存状況に応じて、1から5の数字を記入する。白色申告の場合は、複式簿記以外の簡易な方法により記帳しているので、「4」と記入する。
 住宅ローン控除の控除期間を13年間とする特例が、20年12月末までに居住の用に供した場合に限られていたが、22年12月末までに居住の用に供した場合に延長された。

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