協会は1月12日、宇治久世医師会との懇談をウェブ形式で開催。地区から20人、協会から7人が出席した。懇談会は宇治久世医師会の石原由理理事の司会で開会。同会の堀内房成会長、協会の鈴木理事長のあいさつの後、①2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論②新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療供給体制③各部会からの報告ならびに会員から寄せられた意見に対するコメントの順に意見交換した。
懇談では主に②が話題の中心になった。地区から「『かかりつけ医』と『専門医』の問題について、どの辺りまで話が進んでいるのか」との質問が出された。協会からは「国が狙う専門医制度の活用は先のことかと思うが、病院と有床診療所の『外来機能報告制度』が22年4月から始まる。まずは病院と有床診療所だけだが、『専門外来』と『かかりつけ医』に振り分けることになる。将来的に『専門外来』を受診するためには、かかりつけ医を通らないと受診できなくなる制度、紹介を受けずに受診する場合は大病院の外来受診のように定額負担が課せられる制度になるのではないかと危惧している。『外来機能報告』制度は無床診療所にも広げられる可能性があり、注視が必要だ」と回答した。
また、続けて協会から「政府は既存の診療所の開業医について『かかりつけ医』の登録制、認定制を導入しようとしている。その資料となるのが『外来機能報告制度』だ。ここで集まったデータを元に、『かかりつけ医』の要件として何が必要かを議論する。一方『かかりつけ医』は認定制度とされ、『かかりつけ医』に認定されていない診療所を受診する場合は受診時定額負担を課すことについて議論が始まっている。毎回の受診で定額負担が課せられると『かかりつけ医』以外の診療所への受診が抑制されてしまう」と問題点を指摘した。
また、地区から「(協会は)『開業医医療の復権こそが皆保険制度を活かす道である』と資料に記載しているが、その通りだ。新型コロナウイルスが流行し始めた時、開業医は本当に地域の人々の生命と健康を守るために全力を尽くしたと思う。開業医による自宅療養患者への経過観察が始まる。我々開業医も復権を唱えるなら、それなりの覚悟を持って地域医療に邁進しないといけない」との意見が出された。
これに対して協会は「当地区医師会の活動に頭が下がる思いだ。協会が『開業医医療の復権に向けたアピール』をしているだけでなく、日本医師会も『かかりつけ医』とはどういうものか定義付けをして、地域の住民の生命・健康を守るさまざまな活動をする存在として普及しようとしている。しかし一方で日医も『かかりつけ医』の登録制、認定制などの制度化には強く反対している。我々も制度化には反対しつつ、従来から日本の開業医はかかりつけの医師の機能を十分に発揮しており、その中身を評価すべきと考えている。そのため初・再診料等の引き上げを求めている」と回答した。
その他、集団的個別指導の今後の実施について質疑応答の後、宇治久世医師会の幸道直樹副会長があいさつし、閉会した。
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